グリーン・マーダー・ケース

1926年冬、ニューヨーク。一家のほとんどが殺されたグリーン家の凄惨な殺人事件は、犯人の自殺によってようやく幕を閉じた。世間の恐怖と好奇の狂乱も、時間と共に次第に薄れていった。

半年後、犯人の銃撃により意識を失っていた警官、サイモン・ブレイが長い眠りから目を覚ます。彼は事件の記憶をほとんど失っていた。病床の彼を地方検事ジョン・F・X・マーカムが訪れ、失った記憶を取り戻してほしいと依頼する。事件にはまだ、解かれていない謎が残されていた…。

 

ビショップ・マーダー・ケース

1928年春、ニューヨーク。グリーン家の殺人事件から1年半後。

私立探偵となったサイモン・ブレイは1年ぶりにニューヨークへ帰って来る。匿名の依頼人の呼び出しに応じる形でディラード家へ向かうが、そこではマザーグースになぞらえた奇妙な殺人事件が発生していた。捜査のために訪れていたヴァンスやマーカムらと久々の再会を喜ぶサイモン。しかし程なくして「僧正(ビショップ)」と名乗る謎の人物からの犯行声明が届く。悪い冗談に思われたその手紙を皮切りに第二、第三の事件が発生し、世間を震撼させる連続殺人へと発展していく…。